「作品64‐R」
作品64‐R

「作品64‐R」
1964年
91.0x90.5cm
「広報ひめじ」・「文化情報姫路」掲載
1964年「現代美術の動向-絵画と彫刻展」国立近代美術館京都分館




[関連作品]
小野田實は1988年の「芸術凧-ART KITE(主催:大阪ドイツ文化センター )」の企画展のために1962年~1966年代の造形理論を発展させ、芸術凧を制作しました。

空の珊瑚礁

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WORK88-2.24(副題:空の珊瑚礁)
282.0x282.0cm
1988年2月24日
ドイツ/アートカイトミュージアム所蔵


小野田實は「マルの行為者」と呼ばれ、自らもそのマルを「私のマル」と呼んでいる。尽きることを知らない忍耐力と根気で、彼は何千万、何億という数のマルを描き続け、そこから独自の絵画世界を創り出してきた。彼の絵は極微の単位から出発して、空想やたゆまぬ努力、規律によって、宇宙的次元へ発展させている。彼の絵が有機物の生命に似ているのは、絶えることのない繁殖の原理が支配しているからである。彼の絵はマル自身から生まれ、上下左右の区別なく、あらゆる方向に増殖し続ける。絵の縁を越えてもまだ勢いよく成長を続け、永久に増え続ける。画家自身はそのマルを生命のパラフレーズ、そして同時にオートメーション工場における大量生産のパラフレーズと理解している。
 60年代、具体グループに参加していた頃、小野田はこのマルの世界を、レリーフ状の盛り上がった板の上に表現していた。今回の凧の表面も一見、波うっているように見えるが、それは下地に描かれた曲線や、精妙にグラデーションのつけられた地塗りによってその効果がでているのである。
 神秘的な規則に従って並べられたこれらのマルは、ときには幾何学的なモチーフになり、ときには花のモチーフになる。このマクロ構造の魔力は、鮮烈な、自らの内から輝き出る力にある。絵の全体像はミクロ的な断面図や花、サンゴなどを彷彿とさせる。構成的にバランスのとれているこれらのマルは、静寂と調和を求めている。
 それでもこの絵には、一抹の悲劇性が漂っている。測りしれない分子の集積と果てしない繁殖は、人の行為の無力さとむなしさを思い起させる。この作品において我々人間に対峙しているのは、画家の姿をしたシジフォスである。

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Art Kite Museum
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【2007/03/19 01:01】 | [3]WORKS1962-1966 | page top↑
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