「作品64-L」「作品64‐Y」「作品64-W」
作品64-L

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「作品64-L」
1964年 
91.9x92.1cm
合板、油彩
宮城県美術館所蔵(昭和55年度購入)
1996年「日本の美術-よみがえる1964」(東京都現代美術館)

1965年 「小野田實個展」に寄せて  ヨシダ・ヨシエ

 ひとつの風潮があわただしく美術界を襲い、それが蔓延していくのは、それなりの理由が内在するのであって、現代絵画の混乱だとか軽兆だとか、したりがおに非難するのはあたらない。げにうれうべきは、想像力の決定的な欠乏である。
 小野田實は姫路に住み、毎年二紀展を通じて、そのユニークな世界を展開してみせてきた新人である。かれの特異性は、前途のような風潮に対して、想像力のシニカルな反抗をくわだてたことにある。その方法は、徹底的にシステマテイクである。
 かれが胡粉とボンド接着剤でねりあげた、緻密なマチエールは、あの<壁派>の情緒にみち、そのじつ鈍重な表情を突っぱなし、アクチブで、ユーモラスで、情感の秋の翳りを、真夏の太陽の下にひきもどしてしまった。
 その上へ、最も原型的、基本的な円と線とが枠の中にチンマリと鎮坐する絵画的表情を追求しながら、入念な遠近法的構成で増殖し、シユパンヌング作用を起す。モダン・ジャズの情熱と無意味さが、物質的な貪欲性で展開されようとしたりするのである。かれは、この方法を倦まずたゆまず、執拗にくり返しながら、フォービイックで情緒に濡れた眼を、ひややかに見返してきた。「図々しい奴」の戸田切人などとはまるで異質の、堅固な城を、かれはつくりはじめているのである。
(美術評論家)

作品64‐Y

「作品64‐Y」
1964年3月
91.6x92.0cm
第18回二紀展




作品64-W

「作品64-W」
1964年4月
91.8x91.9cm
第18回二紀展




【2007/03/19 01:39】 | [3]WORKS1962-1966 | page top↑
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